2015/4/3

糖尿病三大合併症
糖尿病三大合併症

糖尿病三大合併症

糖尿病三大合併症とは?

糖尿病の合併症のうち、特に「神経障害」「腎症」「網膜症」は三大合併症と呼ばれ、糖尿病を治療せずに放置すると、発症から15年ぐらいまでの間に現れる糖尿病特有の合併症です。発症メカニズムは解明されていない部分もありますが、前述のように、高血糖状態の持続により、細胞内へと過剰に取り込まれたグルコースの関与が云われています。このグルコースがソルビトールに変換されたり、タンパク質の糖化反応を促し、種々の代謝異常を惹起し、細胞や組織に障害を与え、機能障害を引き起こすと考えられています。

糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害

発症から最も早期に現れる合併症であり、合併症の入口とも云えます。発症頻度が高く、日本臨床内科医会の調査(2000年)において、対象となる糖尿病患者12,821例中、医師が「神経障害あり」と判断したのは4,709例(37%)で、網膜症23%、腎症14%に比べて高率であり、糖尿病患者の3分の1以上を占めていました。症状は、四肢末端とくに足に現れる多発性末梢神経障害(しびれ、痛み、感覚障害、麻痺、こむら返りなど)、自律神経障害(発汗異常、立ちくらみ・めまい、便通異常、胃腸障害、排尿障害、月経異常、インポテンツなど)、血管閉塞による単一性神経障害(顔面神経麻痺・外眼筋麻痺・聴神経麻痺などの脳神経、四肢の神経障害)に分類されます。

糖尿病性腎症
糖尿病性腎症

1998年以降、日本における人工透析導入患者の最も多い原疾患であり、新規患者は年間約16,000人と推測されています。また、透析導入後の生命予後も不良です(日本透析学会:わが国の慢性透析療法の現状)。初期は浮腫や血圧上昇などを呈し、症状が進行すると腎不全や尿毒症へと移行し、人工透析や腎移植が必要となります。

糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症

中途失明の原疾患として緑内障に次いで多く、糖尿病を主原因とする視覚障害による新規の障害者手帳取得者数は年間約2,000人です。ただし、緑内障には糖尿病特有の血管新生緑内障も含まれています。初期の自覚症状はほぼありませんが、症状が進行すると飛蚊症や視力低下を来します。さらに、網膜剥離や糖尿病黄斑症にまで進行すると、視力が著しく低下したり失明に至ります。

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