2015/6/15

紅景天の経口美白剤としての可能性 ~紫外線照射による チロシナーゼ活性化に対する阻害作用~

第15回日本抗加齢医学会総会(2015, 福岡)

≪研究内容の紹介≫
 我々は、経口摂取で皮膚老化改善が期待できる素材の探索研究を行う中で、高山植物である紅景天が、紫外線により誘導される防御物質(ファイトアレキシン)を含有し、紅景天の摂取により紫外線抵抗性が期待できるのではないか、との仮説を立て、本研究を行いました。

 マウスに紅景天を経口投与し、1時間後にUVB照射する処置を9日間繰り返しました。最終照射の翌日に耳介部皮膚を採取し、チロシナーゼ活性化メラノサイトをDOPA染色により検出しました。UVB照射によりDOPA陽性メラノサイト数が増加し、マウス耳介部皮膚においてチロシナーゼの活性化が認められましたが、紅景天の経口投与により有意に減少しました。また、関連するin vitroの試験において、紅景天はDPPHラジカル消去能、チロシナーゼ阻害作用を示しました。以上のことから、紅景天が紫外線照射により表皮で発生するラジカルを消去し、その結果としてチロシナーゼ活性化が抑制されたこと、さらに、紅景天がチロシナーゼを阻害したことにより、マウス耳介部皮膚においてDOPA陽性メラノサイト数が減少したものと考えられました。

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