2013/12/24

5-アミノレブリン酸リン酸塩、カシスエキス配合食の冷え症に対する有用性の検討

第11回日本機能性食品医用学会総会(2013,東京) 機能性食品と薬理栄養, 8巻 1号 p.96(2013)

≪研究内容の紹介≫
 末梢の循環不全や自律神経活動の低下が主因と考えられる冷え症は、日常生活の質を著しく低下させるため、その対策は大きな課題となっています。また、近年の冷暖房設備の普及に伴い、寒冷環境への適応力の低下により冷えを訴える人が増えています。
 本発表において、5-アミノレブリン酸【*1】リン酸塩(5-ALA)とカシス【*2】エキスを配合した食品が冷え症に対して有効であるとの仮説を立て、女性9名(29.1±1.8歳)を対象に冷え症の客観的評価法として頻用される冷水負荷試験(クロスオーバー試験【*3】、サーモカメラを用いて冷水負荷前後の手を経時的に撮影)によって有用性の検討を行いました。
 結果、5-ALA、カシスエキス配合食品を摂取した場合、プラセボ【*4】摂取時と比べ、皮膚表面温度は高い傾向を示しました。また、皮膚表面温度は、個人差が大きいため、冷水負荷前の皮膚表面温度に対する50%回復時間を算出したところ、約4分短縮されていました。冷水負荷後の経時的回復率においても、統計学的に有意な回復が認められました。
 以上の結果より、5-ALAとカシスエキスを配合した食品は、冷え症に対して有効であると考えられました。

*1 すべての動植物に存在しており、ヘムやクロロフィル等の前駆体として重要なアミノ酸の1種です。
   近年、5-ALAの有用性に関する研究が精力的に行われています。

*2 ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含んでおり、
   抗酸化作用や血流改善作用が報告されています。

*3 同一人物が偽被験食と被験食を時期をずらして摂取し評価する試験です。

*4 被験食に似せた食品です。

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