2016/11/21

筋骨草の炎症性メディエーター産生抑制作用

第14回日本機能性食品医用学会総会(2016、東京)

<特許出願済み>
≪研究内容の紹介≫
我々は、マウスOVXモデル、ラットアジュバント関節炎モデルを用いて筋骨草の骨、関節に対する有効性を報告してきました。炎症が惹起された膝関節の滑膜組織や炎症部分へ浸潤したマクロファージなどの炎症細胞からは、プロスタグランジン、サイトカイン、活性酸素、一酸化窒素(NO)などの炎症性メディエーターが産生され、これらの産生量が多いほど痛みが強くなっていくことが知られています。そこで、マウスマクロファージ様細胞RAW264.7を用いて筋骨草の炎症性メディエーターに対する作用を検討しました。

RAW264.7は、10%FBS、抗生物質を含むDMEM培地を用いて培養しました(mRNA発現量比較:6ウェルプレート、培養上清中炎症性メディエーター量検討:96ウェルプレート)。細胞播種24時間後から被験物、IFN-γ(50 units/ml)、LPS(0.5 µg/ml)を順次添加の後、4から24時間培養し、細胞または培養上清を回収しました。mRNA発現量はRT-PCR法で、NO濃度はGriess法で、PGE2、TNF-α濃度はELISA法で測定しました。

結果、筋骨草は、濃度依存的にiNOS、TNF-α、COX-2 mRNA発現量を抑制しました。また、培養上清中へのNO、TNF-α、PGE2産生に対しても濃度依存的に抑制作用を示しました。

以上の結果より、筋骨草は炎症性メディエーター(NO、TNF-α、PGE2)の関与遺伝子のみならず、培養上清中への産生量に対しても濃度依存的な抑制作用を示したことから、既に報告している関節炎モデルにおいて、これらを介して有効性を示している可能性が示唆され、筋骨草が有する抗炎症作用に関して機序の一端が明らかとなりました。

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